期待値の話ですが, よく
さて確率 $1/N$ のくじですが, これを $N$ 回連続で外す確率とは
${\displaystyle \left(1 - \frac{1}{N} \right)^N}$ になります.
で, 何となくですが $N \to \infty$ としてみると,
\[
\left( 1 - \frac{1}{N} \right)^N
= \left( \frac{N-1}{N} \right)^N
= \left\{ \left( \frac{N}{N-1} \right)^N \right\}^{-1}
= \left\{ \left( 1 + \frac{1}{N-1} \right)^N \right\}^{-1}
\xrightarrow{N \to \infty} \frac{1}{e} \approx \frac{1}{2.7}
\]
となります.
というわけで, $N$ が大きければ大きいほど
($=$ 確率が小さければ小さいほど)
``期待値 1''を実際に得られない確率がだいたい 37% に近くなる, という結論になります.
つまり, 仮に
「1/100 の確率だから, 100 回に 1 回は当たる」
のが本当ならば,
「だいたい 3 人に 1 人が 1/100 の当たりくじを 100 回連続で外す」
ことになってしまいます.
注意しましょう.
ところで,
「$1/N$ の確率だから, $N$ 回に 1 回は当たる」
のが一番もっともらしいのは $N$ がいくつのときか?
実は
${\displaystyle b_n = \left( 1 - \frac{1}{n} \right)^n}$
は単調増加です.
すなわち「確率 $1/N$ で当たるくじを $N$ 回連続で外す確率」は
$N$が増えるほどに高くなります.
ゆえに,
「$1/N$ の確率だから, $N$ 回に 1 回は当たる」
のが一番もっともらしいのは $N=1$ ...いやいや,
$N=2$ のときですかね.
「$1/2$ の確率だから, 2 回に 1 回は当たる」
で, 1/2 を 2 回連続外すのは $(1/2)^2 = 25$%.
これが「$1/N$の確率の当たりくじを$N$回連続で外す」確率の最小値になります.
やっぱり 4 人に 1 人はダメらしい.